漢方で血流改善:おすすめ処方と事例
- 日向 凛
- 8月24日
- 読了時間: 4分
更新日:8月25日

現代人に多い「血の巡りが悪い状態」、いわゆる瘀血(おけつ)。冷え性、肩こり、月経トラブル、むくみ、肌荒れ、そして動脈硬化など、その多くに「血流の滞り」が関係しています。
そんなとき、体質に寄り添ったやさしいアプローチとして注目されているのが漢方薬。本記事では、血流改善に効果が期待できる漢方処方や実際の改善事例をご紹介します。
血流と漢方の考え方|“瘀血”とは?
漢方では、「血(けつ)」は身体を滋養し、体温を保ち、精神の安定を支える重要な要素とされています。
しかし、この「血」がドロドロになったり流れが滞った状態を、**“瘀血(おけつ)”**と呼びます。瘀血のサインには以下のようなものがあります。
慢性的な肩こりや頭痛
手足の冷えやしびれ
あざができやすい
くすみ・シミなどの肌トラブル
生理痛・月経不順
イライラ・不眠
これらはすべて、「血のめぐり」が原因である可能性があります。
血流改善におすすめの漢方処方 5選
漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶことが重要ですが、以下は血流改善でよく使われる代表的な処方です。
① 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
■ 効能:瘀血による月経痛、肌荒れ、冷え性■ 特徴:女性に特に人気が高く、ホルモンバランスの乱れにも対応■ こんな人に:手足が冷えて顔がほてるタイプ
② 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
■ 効能:冷え、むくみ、貧血、月経不順■ 特徴:血と水の巡りを改善し、やさしく体質改善■ こんな人に:虚弱体質で冷えやすく疲れやすいタイプ
③ 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
■ 効能:イライラ・便秘・月経トラブル・血圧不安定■ 特徴:瘀血とストレス両方に働きかける処方■ こんな人に:のぼせ・便秘がある方
④ 四物湯(しもつとう)
■ 効能:血の不足(血虚)改善、月経不順、肌の乾燥■ 特徴:女性の体調管理に古くから使われる基本処方■ こんな人に:冷え・貧血傾向があり、顔色が悪い方
⑤ 加味逍遥散(かみしょうようさん)
■ 効能:更年期障害、精神的ストレス、不定愁訴■ 特徴:気・血・水のバランスを整える万能処方■ こんな人に:イライラや気分の波が激しい方
実際の改善事例
事例①:冷えとむくみが改善
40代女性、デスクワーク中心の生活。慢性的な冷え性と足のむくみに悩んでいたが、当帰芍薬散の服用で約1ヶ月後にはむくみが軽減。睡眠の質も向上し、朝の目覚めがスッキリ。
事例②:生理痛と肩こりが緩和
30代女性、生理痛が重く鎮痛剤が手放せなかったが、桂枝茯苓丸を3ヶ月継続服用したところ、痛みが大幅に軽減し、PMS(生理前症候群)も楽になった。肌の調子も改善。
事例③:更年期の不調に対応
50代女性、ホットフラッシュや不安感があり、加味逍遥散を導入。2ヶ月で心身の安定を実感し、日中の不快感が減少。家事や仕事のやる気が戻ってきた。
漢方を選ぶ際の注意点
漢方は自然由来とはいえ、自己判断での服用はおすすめできません。
体質や症状に合わないと効果が出にくい
他の薬との相互作用がある場合も
妊娠中・授乳中の方は特に注意が必要
可能であれば、漢方専門医や薬剤師に相談のうえ、自分に合った処方を選びましょう。
日常生活でできる血流サポート
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の見直しも大切です。
温かい食事(冷たい飲み物は控える)
軽い運動(ウォーキングやストレッチ)
半身浴・温活
ストレスマネジメント
こうした習慣と漢方を組み合わせることで、より効果的に「巡りの良いカラダ」へ導けます。
まとめ|漢方で“巡りのいい身体”を目指そう
血流改善は、見た目の若々しさや病気予防にも直結する大切なテーマです。漢方薬は、現代人のストレスや体質の乱れにやさしく、根本から寄り添う選択肢。
自分の身体と丁寧に向き合い、「今の体調」に最適な処方を見つけることで、毎日がもっと軽やかに、そして健康的に変わっていくはずです。


